定位的放射線治療とはどんな治療ですか。

治療効果を高めることと腫瘍周辺の正常部位の合併症を低下させることとを目的に、小さい範囲に対して大量の放射線を短期間に集中して照射することです。正確な位置精度が要求されるので、近年の治療技術と画像診断の進歩により可能となって急速に広まってきました。腫瘍がその治療範囲だけにとどまっていることが重要なので、脳腫瘍、早期肺癌などが対象になります。なお、「ピンポイント照射」という言葉はこの治療を指すことが多いですが、これは俗語で不正確な言葉です。当初(1980年代後半)は、病変の境界が比較的わかりやすくて呼吸などによる動きがない脳腫瘍に対して行われ始め、血管奇形や聴神経鞘腫などの良性腫瘍も対象に含めて行われてきました。1990年代になって、早期肺がんなどの体幹部に対して応用されるようになって、現在では保険適応となっています。治療効果は手術に劣らない場合もある上に合併症も少ないので今後の高齢化社会ではますます発展すると思われます。どのような腫瘍に対して行うのかが重要で、通常は早期のがんに限って行われます。(岡嶋馨)
   
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